擬似環境の向こう側

(旧brighthelmerの日記) 学問や政治、コミュニケーションに関する思いつきを記録しているブログです。堅苦しい話が苦手な人には雑想カテゴリーの記事がおすすめです。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ロンドンの美味しいもの

気づけば、ロンドンに来てからもう半年以上経った。そこで、この半年でぼくが「美味しい」と思ったもの&店をいくつか紹介したい。たしかにロンドンでは食事でがっかりすることが少なくない。しかし、その一方で美味しいと思えるものもあるにはある。たとえ…

『災害ユートピア』と『ショック・ドクトリン』

ささやかな「災害ユートピア」 今から10年ほど前の話だ。 当時、ぼくは5軒続きの2階建長屋に住んでいた。新築だったので住民は我が家と同様に若い夫婦が多かった。しかし、まだ子どもがいなかったぼくらに近所づきあいなるものは存在しなかった。 あるとき、…

受験RPGの思い出

(昔のツイートのサルベージ+加筆) ぼくが高校3年生のときのことだ。 さすがにそろそろ大学受験の準備をせねば、という状況になった。だが、先日のエントリでも書いたように、当時のぼくは勉強をするための方法がいまいちよくわかっていなかった。机に向…

「反日分子」からの挨拶

ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』のあとがきには、「英国ファシスト連盟(BUF)」のリーダー、オズワルド・モズリーをめぐる顛末が書かれている(モズリーの主張については、以前、このエントリで紹介した)。第二次世界大戦が勃発すると、英国政府は…

教室という場所

ぼくは自分で勉強ができない高校生だった。 自室で勉強していても、10分から15分で限界がくる。気がつけばマンガを読み始め、テレビを見て、ゲームをしてしまう。意志の力で耐えようとしても、すぐに限界がきてしまう。 そういうしているうちに大学受験のシ…

消費税増税は「マスコミのせい」か?

マスコミによる消費税増税キャンペーン? 少し時期を逸したが、消費税の増税が安倍首相によって正式に表明された。 これを受けて、どういう理路なのかはいまいち定かではないのだが、増税に反対する人たちから「マスコミが悪い」という声が上がっている。ど…

失礼なコミュニケーションへの憧れ

文化的親密圏とは何ぞや? 文化人類学者のマイケル・ヘルツフェルドは、『文化的親密圏』という著作のなかで次のようなエピソードを紹介している(1)。 2000年代のタイ、バンコクでは「アジアのシャンゼリゼ通り」を実現するべく、古い街路の再開発が進めら…

領域横断的研究の憂鬱

ツイッターで書こうと思ったのだが、長くなってきたのでブログで書くことにする。 ぼくがまだ駆け出しの研究者だったころ、ある先生が次のようなことを言っていた。 「研究者(執筆家)には、新しいアイデアをぽんぽん出していくタイプと、既存の発想とその…