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擬似環境の向こう側

(旧brighthelmerの日記) 学問や政治、コミュニケーションに関する思いつきを記録しているブログです。堅苦しい話が苦手な人には雑想カテゴリーの記事がおすすめです。

受験RPGの思い出

雑想

(昔のツイートのサルベージ+加筆)

 ぼくが高校3年生のときのことだ。

 さすがにそろそろ大学受験の準備をせねば、という状況になった。だが、先日のエントリでも書いたように、当時のぼくは勉強をするための方法がいまいちよくわかっていなかった。机に向かっても30分も経たないうちに集中力が切れてしまう。

 そこでぼくは、当時すでに時代遅れになっていたN88-BASICというコンピュータ言語を使い、パソコンゲームを作ることにした。登山のトレーニングのためにウクレレの練習を始めるかのごとき、この見当違いの努力はどこから生まれたのか。

 実は時を遡ること3年前、中学3年生の時にもぼくは同じく受験のためにゲームを作っていた。そのゲームはずばり受験RPG。ゲーム内で出会う敵を倒し、レベルを上げていくことで最終的に名門ナダール高校に合格することが目的だった。

 残念ながら中学3年生の時のプロジェクトは挫折した。だが、大学受験を前に、今度こそは大学受験のための受験RPGを完成させようとぼくは決意したのだのだ。それが高校3年の夏。予備校の文系学生向けの講義を聞きながら、頭の中ではプログラムの構想を練る毎日。

 しかし、開発(笑)は難航した。一番の問題はメモリ不足。当時の愛機PC-8801mk2FRのメインメモリは64KBしかない。グラフィックは全く使っていなかったが、それでもゲーム中のテキストの容量が膨らんでくると、すぐにメモリが足りなくなる。

 さらに、高校3年時のバージョンではマップを広げ、別の街にも行けるようにしたため、どうしてもメモリが足りない。そこで、別の街に移動すると、フロッピーディスクから別のプログラムを読み込むようにした。

 ところが、ディスクから別のプログラムを呼び出すと、その時点で変数が全部クリアされてしまう。主人公のパラメータが全部消えてなくなるわけで、ゲームとして成立しない。そのため、移動するたびに必要な変数をいったんディスクにセーブし、別のプログラムを呼び出してから、再び変数をロードするというややこしい手順を考え出した。その結果、別の画面に移動するたびにディスクの読み書きを何度も行うことになり、移動がとても煩わしいゲームになってしまった。

 しかし、それでもそれなりの形にはなった。街中を歩いていると「世界史キラー」だの「英単語キラー」だのといったモンスター(?)に遭遇するゲームだ。たとえば、世界史キラーに遭遇した場合、プレイヤーは「ウェストファリア条約が締結されたのは何年か?」という質問に3択で答えなくてはならない。正解すれば経験値アップで、間違えればHPが減る。経験値が上がるたびにプレイヤーの成績まで上がるという夢のゲームだ

 マップ内にはそれぞれの特徴を持つ予備校がいくつかあり、どこに通うかによって能力値の上がり方が変わるという設定を用意した。ゲーム中では何度か模試があり、その点数をどのように決定するのかでも頭を捻ったものだ。

 また、特定の日時にある場所を訪れると特殊アイテム(スーパー消しゴムとかそういうもの)が手に入るというイベントも用意した。12月24日に予備校に行くとクリスマスイブなのに勉強して偉いという理由により何か貰えるという感じだ。

 とはいえ、この高校3年生時のプロジェクトのやはり挫折してしまった。途中でテキストデータの作成が面倒になったのと、さすがにこんなの作っている場合ではないと思ったのだろう。結局、現役での受験には失敗したのだが。

 それから20年以上が経ち、これだけは言える。この受験RPGを作ろうとした経験はいま、何の役にも立っていない。