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擬似環境の向こう側

(旧brighthelmerの日記) 学問や政治、コミュニケーションに関する思いつきを記録しているブログです。堅苦しい話が苦手な人には雑想カテゴリーの記事がおすすめです。

ツイッター・トリクルダウン

(ツイートからのサルベージ+α)

 フォロワーの少ないぼくみたいなアカウントのツイートでも、ごく稀にRTの連鎖が起きることがある(たいした数じゃないけど)。その流れは、だいたい以下のようになる。

 

ぼくがツイート→ぼくをフォローしているフォロワー多めの人がそれをRT→ぼくをフォローしていないフォロワー数絶大の人がRT→拡散

 

 つまり、情報の流れから言うと、ツイッターのアカウントはピラミッド構造になっている。フォロワーの少ない下層アカウントからフォロワーの多い上層アカウントがツイートを吸い上げて拡散する、という構造だ。

 言い換えると、ピラミッド上層のアカウントが下層アカウントのツイートをRTによって吸い上げれば吸い上げるほど、下層アカウントでも自分のメッセージを広く伝える伝えることができる。これをツイッターのトリクルダウン理論と呼ぼう*1。

 以上の流れを図式化すると以下のようになる。

f:id:brighthelmer:20130615060932j:plain

 直感的に言えば、下層アカウントがフォロワー500未満、中間層が500~1万、上層アカウントが1万以上といったところだろうか。(後記:フォロワー数5000以上ぐらいから上層アカウントとしたほうが良いかも)

 この図を見てもわかるように、RTの流れは基本的に上方・下方移動であり、横にはあまり流れない。それは、フォロワーの少ない下層アカウントがRTしても、それを再RTしようと思う人が目にする確率が低いからだ*2。

 他方で、上層アカウントが膨大なフォロワーに向けてRTすれば、その確率は必然的に上がる。ほとんどの人にとっては興味を引かないツイートであっても、それを目にする人の絶対数が増えれば再RTされる確率は増える。

 また、上層アカウントの人が中間層を中抜きにして下層アカウントの人を直接フォローすることがある。そして、前者が後者をRTすれば、それだけ後者をフォローする人は増えやすくなる。結果、後者のアカウントは徐々に中間層へと移動する。これを蜘蛛の糸フォローと呼ぼう*2。

 このように、ツイッターでは少数の上層アカウントが情報の流れに大きな影響を及ぼしていることがわかる。いわば、情報のゲートキーパーなのであり、どんなツイートが広範に流れるのかは彼らの取捨選択に依存していると言ってよい*3。

 ネットが登場する以前、このような情報ヒエラルキーの頂点は言うまでもなくマスメディアだった。現在でもマスメディアが情報を伝達する力は絶大だが、上層アカウントは小規模なマスメディアに匹敵する伝達力を有していると言えるかもしれない。

 しかし、このような階層構造があるからと言って、必ずしも下層アカウントを卑下する必要はない。先に述べたように、下層アカウントが中間層と、中間層が上層アカウントとつながっている限りにおいてツイートの上向きの流れは存在する。

 その意味では、このツイッター・トリクルダウンにおいて重要なのは、中間層の役割ではなかろうか。彼らが存在することで、言わば情報発信の民主化が図られているのである。

 ということで、いつもの通りに思いつきだけで書いてきた。しかし、経済学の怪しげなトリクルダウン理論よりは妥当性があるような気もするのだが。

 

*1トリクルダウン理論とは、経済学の発想で、金持ちがたくさん富を得れば、それを豪快に使うため、貧しい人にも富が行き渡るようになるという理論。最近ではその妥当性が否定されることが多い。

*2この蜘蛛の糸が、下層アカウントが上層アカウントに絡むことで生み出されることもありうる。フォロワーを増やすための手っ取り早い手段として、有名人に絡むというやり方がある。無視されてしまえばそれまでだが、上層アカウントの側が反応すると、意図せずして蜘蛛の糸を垂らすことになる。

*3しかし、下層アカウントのツイートであっても、一気に拡散することが例外的にありうる。それは、炎上するようなツイートをした時である。この場合、いうまでもなく発火点は2ちゃんねるだ。検索等によって炎上しそうなツイートが発見された場合、2ちゃんねるおよびまとめサイトを通じて、情報は一気に拡散してしまう。